ビクトリア褐炭資源について

ビクトリア褐炭資源について

 
 

【世界の主な褐炭資源】

出所:ビクトリア州政府2009

出所:ビクトリア州政府2009



豪州ビクトリア州には世界の2割の褐炭資源が埋蔵され、その可採埋蔵量は330億トンと言われています。



 
 

【ビクトリア褐炭の特徴】

出所:ビクトリア州政府2009

出所:ビクトリア州政府2009



ビクトリア褐炭の水分は60%程度と非常に高いものの、灰分と硫黄分が非常に低い特徴があります。



 
 

【ビクトリア褐炭の位置と炭鉱写真】

出所:ビクトリア州政府2011

出所:ビクトリア州政府2011



ビクトリア褐炭は地表近くに分厚い炭層があるため露天掘りが可能です。



 
 

【豪州の褐炭産地】

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ビクトリア州の褐炭はメルボルンから東に150㎞離れたラトローブバレーに賦存しています。



 
 

【ビクトリア州のエネルギー資源】

出所:ビクトリア州政府2014

出所:ビクトリア州政府2014



ビクトリア州には褐炭以外に色々なエネルギー資源があります。



 
 

【ラトローブバレーの褐炭鉱位置】

出所:豪州褐炭クリーンパワー共同研究センター2005

出所:豪州褐炭クリーンパワー共同研究センター2005



ラトローブバレーではヤルーン炭鉱(年産1,900万トン)、ロイヤン炭鉱(年産3,200万トン)、モーウェル炭鉱(年産1,200万トン)が稼働中で、
各山元にヤルーン発電所(150万KW)、ロイヤンA発電所(200万KW)、ロイヤンB発電所(100万KW)、ヘーゼルウッド発電所(160万KW)が稼働しています。



 
 

【ビクトリア州の発電源の内訳】

出所:ビクトリア州政府2014

出所:ビクトリア州政府2014



ビクトリア州の電源は褐炭火力が設備で65%、発電量で90%を占めています。



 
 

【ビクトリア褐炭未開放鉱区(million ton/剥土比)】

出所:ビクトリア州政府2014

出所:ビクトリア州政府2014



ラトローブバレーには未開放の褐炭鉱区があり、優良な利用事業計画を提出した企業に鉱区使用権が与えられます。



 
 

【ビクトリア褐炭の性状】

出所:豪州褐炭クリーンパワー共同研究センター2005

出所:豪州褐炭クリーンパワー共同研究センター2005



ビクトリア褐炭は水分が60%から66%と非常に高いものの、灰分と硫黄分が非常に低いクリーン・コールです。



 
 

【ロイヤン炭鉱の炭層断面図】

出所:豪州褐炭クリーンパワー共同研究センター2005

出所:豪州褐炭クリーンパワー共同研究センター2005




ビクトリア褐炭は表層の20m程度を剥土すると、100m程度の炭層が賦存しており、採炭コストは安価です。



 
 

【ロイヤン炭鉱の採炭風景】

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ロイヤン褐炭鉱から褐炭はベルトコンベアでロイヤン発電所に搬送される



 
 

【ビクトリア褐炭火力発電システム(タワーボイラー)】

出所:豪州褐炭クリーンパワー共同研究センター2005

出所:豪州褐炭クリーンパワー共同研究センター2005



褐炭は燃焼排ガスによって部分的に乾燥されます。水分が非常に多いため、燃焼熱のかなりの部分が水を蒸発させるために消費され、熱効率が下がってしまいます。



 
 

【ビクトリア褐炭火力発電における熱効率と褐炭水分量との関係】

出所:豪州褐炭クリーンパワー共同研究センター2005

出所:豪州褐炭クリーンパワー共同研究センター2005



ビクトリア褐炭は水分が非常に高いので、発電効率が低くなるため、発電量当たりのCO2発生は瀝青炭火力発電に比べ高くなってしまいます。



 
 

【ビクトリア州のインフラ整備計画】

出所:ビクトリア州政府2011

出所:ビクトリア州政府2011



ビクトリア州政府は、ラトローブバレーの沿岸部に褐炭由来の製品を世界に出荷するインフラ整備を進めています。



 
 

【莫大な褐炭資源近くの世界屈指の炭素回収・貯留(CCS)地域】

出所:ビクトリア州政府2011

出所:ビクトリア州政府2011



ビクトリア州の沿岸部にある枯渇ガス田はCO2貯留に適しています。



 
 

【CO2貯留槽の地質学的構造と豊富なデータ】

出所:ビクトリア州政府2009

出所:ビクトリア州政府2009



ビクトリア州沖合の海底地層に関してはガス田開発のおかげで、詳細なデータ蓄積があります。



 
 

【ビクトリア州のCO2貯留候補地の探査】

出所:ビクトリア州2011

出所:ビクトリア州2011



ビクトリア州政府は沖合の海底地層にCO2貯留候補地を探しています。



 
 

【ビクトリア州政府のCarbonNetプロジェクト】

出所:ビクトリア州政府2014

出所:ビクトリア州政府2014



ビクトリア州政府はビクトリア褐炭利用事業で発生するCO2をパイプラインで回収して沖合の海底地層に貯留する炭素削減インフラCarbonNetプロジェクトを推進しています。
CarbonNetが実現すればビクトリア褐炭由来の製品がCO2フリーになる可能性を秘めています。



 
 
 ビクトリア褐炭開発と利用の歴史 
1888 - 1963ラトローブバレーで最初の褐炭生産はグレートモーウェル褐炭鉱で始まり、この炭鉱は後にヤルーン北露天掘り炭鉱 として知られることになる。1924年に露天掘り炭鉱の採炭はSECVに引き継がれた。褐炭は鉄道でメルボルンの需要家に運ばれた。1963 に褐炭を掘り尽し閉山された。
1919ラトローブバレーの褐炭を開発するためState Electricity Commission of Victoria (SECV) が John Monash卿により設立された。
1921ヤルーン 露天掘り炭鉱で褐炭の生産開始。
1924- 1971ヤルーン褐炭乾燥ブリケット工場が完工し、年産24万トンから65万トンに拡大。1960に年産65万トンのピークを迎えた
1928 - 1968ヤルーン A 発電所操業 (12基のチェーンストーカーボイラー)合計7万5千KW
1932 - 1970ヤルーン B発電所操業 (10 基のチェーンストーカーボイラー)合計10万KW
1954 - 1985ヤルーン C 発電所操業 (初の微粉炭焚ボイラー が6 基)合計10万KW
1956 - 1970Gas and Fuel Corporation Victoriaがヤルーン褐炭乾燥ブリケットを原料にモーウェルで独ルルギ社のガス化炉を用い 都市ガスを生産。1970に天然ガスの開発を受け閉鎖された。 年22万6千トンの乾燥ブリケットを消費
1956モーウェル露天掘り炭鉱で褐炭の生産開始。
1956 - 1988ヤルーン炭鉱北部での露天掘りが開始。
1958 - 1987ヤルーン D発電所操業 (6基の微粉炭焚ボイラー)合計10万KW
1959 -2014モーウェルでモーウェル褐炭火力とヤルーン褐炭乾燥ブリケットの統合工場が稼働。乾燥ブリケットの原料は後にロイヤン褐炭に変更された。 発電所のボイラー老朽化により2014年に操業停止。合計17万KWの発電と年産130万トンの乾燥ブリケット
1961 - 1989 ヤルーン E発電所運転開始12万KW x 2基
1964 - 1971ヘイゼルウッド発電所がモーウェル褐炭を燃料に運転開始(8基の微粉炭ボイラー)20万KW x 8基
1967 褐炭乾燥ブリケットが日本への輸出を開始
1969 - 2015ALCOAがアングレシア褐炭鉱と発電所を操業15万KW x 1基
1970 -2014Australian Char社がモーウェルの褐炭乾燥ブリケットを原料に縦型乾留炉でチャーブリケット工場を操業。褐炭乾燥ブリケットの供給が止まったため、2014年に操業停止。年産8万トン
1973 - 1982ヤルーンW発電所運転開始35万KW x 2基 & 
37.5万KW x 2基
1984ロイヤン露天掘り炭鉱で褐炭の生産開始
1985 - 1987ロイヤンA発電所運転開始55万KW x 4基
1985- 1994Coal Corporation of Victoria(CCV)が乾燥褐炭ブリケット工場を引き継ぎ Energy Brix社に名称変更。
1985 - 1990日本褐炭液化(株)の現地法人ビクトリア褐炭液化(株)が褐炭液化パイロットプラントを操業。褐炭処理量150 t/d
1991 - 2000ルルギ社の過熱蒸気流動床乾燥(SFBD)パイロットプラントがロイヤンB発電所に始動用乾燥炭を供給。年産12万5千トン
1993, 1996 ロイヤンB発電所運転開始52.5万KW x 2基
1993ロイヤンB 発電所がMission Energyとして民営化
1994-1995SECV が民営化され、発電所が民間企業に払い下げられた。 SECVの研究開発部門とCCVが新組織ハーマン研究所(HRL)に集約され、Energy Brix社もHRLに移管された。
1997-1999HRLがモーウェルの褐炭液化パイロットプラント跡地でIntegrated Drying and Gasification Combined Cycle(IDGCC)実証 プラントを操業。1万KW
2014連邦とビクトリア州政府が共同で出資した褐炭利用実証ファンドAdvanced Lignite Demonstration Programに3つの実証プロジェクトが採択された。 総額7,500万豪ドル
■ 出所:Allardice Consulting
 
 
 

Advanced Lignite Demonstration Program(ALDP)に採択された実証事業の内容

豪連邦政府とビクトリア州政府が折半で出資するAdvanced Lignite Demonstration(ALDP)Program(総額9千万豪ドル)に世界から41社が応募して下記3実証プロジェクトが2014年に採択されました。
 
 
1. Coal Energy Australia社
 
実証総事業費:1億4千3百万豪ドル
ALDP補助金額:3千万豪ドル
採用技術:中国のChina Heavy Machinery Corporation社の縦型石炭乾留技術
褐炭処理量:ヤルーン褐炭年間200万トン(日量6千トン)
製品:セミコーク、乾留タールと乾留ガス(水素含有47%)
 
 
2. Ignite Energy Resources社
 
実証総事業費:6千8百万豪ドル
ALDP補助金額:2千万豪ドル
採用技術:自社のCatalytic Hydrothermal Reactor(Cat-HTR)技術
褐炭処理量:ヤルーン褐炭年間14万4千トン(日量480トン)
製品:合成原油と高品位炭
 
 
3. Shanghai Electric Australia Power & Energy Development社
 
実証総事業費:1億2千万豪ドル
ALDP補助金額:2千5百万豪ドル
採用技術:上海電力の子会社Shanghai Hemi Energy Technology社の過熱蒸気流動床乾燥と成型技術を組み合わせたSuperheated Steam Drying & High Pressure Roll Process(SDRP)技術
褐炭処理用:ロイヤン褐炭年間200万トン
製品:乾燥褐炭ブリケット
 
 

【Development and Use of Victorian Brown Coals Summary】

 

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出所:Allardice Consulting